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新刊書籍紹介    
■2016年8月4日(2016年8月3日メールにて紹介)

書籍名

「大規模改修によるマンションのグレードアップ事例集」

著者 梶浦 恒男 + NPO法人集合住宅維持管理機構 編
発行 鰹イ国社
価格 定価:3,000円(税別)
頁数 B5版 210頁
書評

 年数を経たマンションは建替えということが言われるが、マンションの建替えはたいへん難しく実施して成功した例は極めて少ない。マンションの構造体は施工不良の欠陥建物でない限り100年くらいは壊れない。それを使い続けていく際のポイントとなるのが改修で、補修にプラスして時代の要請や居住者の生活上の要求に応えた改善を適切に行っていくことが肝要である。
 今後は改修で長持ちさせていく事例が増えていくと考えられるが、そこで居住性能アップによって便利で快適な生活環境を調えて、マンション自体のグレードアップを図ることが重要となる。そのためには長寿命化のそれぞれの要求に対応できる技術者の育成と、工事関係者の普段の研さん、そして長期修繕計画に基づいた管理組合の「意志」はもちろんのこと、これらに対する社会的な要請もまた大切な要素と
なってくる。
 本書はこれらを踏まえ、通称マンションドクターと呼ばれて30余年間に亘って3000件超の業務を管理組合から依頼を受けて取り組んできた編者が、これまで関わってきた多くの事例から改修によってグレードアップした72の事例を選び出し、「改修事例集」としてまとめたものである。
 すなわち、建物の外構や景観の改善、玄関ホールや集会室、各居室、駐車場などの空間単位の改修、また外壁や窓サッシ、内装などの各部位の改修、そして生活に直結する上下水道、風呂、空調などの設備関係の改修事例などを詳細に、かつ丁寧に解説しているほか、改修工事での居住者および管理組合の対応の仕方など、多彩なノーハウも満載されている。またそれらを総括して今後のマンション改修のあり方
をも示唆している。
 マンション居住者、管理組合の関係者はもちろん、改修に携わる工事業者、設計者や研究者にとっても極めて価値のある一冊である。

<(公社)全国市街地再開発協会 機関誌「市街地再開発」2016年7月号より転載>

マンション再生協議会