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新刊書籍紹介    
■2016年1月25日(2015年11月25日メールにて紹介)

書籍名

「円滑化法改正でこう変わる!マンション建替えがわかる本」

著者 マンション管理士 日下部 理絵、一級建築士 本山 千絵
発行 滑w芸出版社
価格 定価:2,300円(税別)
頁数 A5版 166頁
書評

 現在、多くのマンションで、「建物の老朽化」と「住民の高齢化」という大きな問題が顕著化してきている。旧耐震基準や高経年マンションは年々増え続けており、これらに対する対応が今後の大きな課題となっているが、改修・建替えがなかなか進んでいないという現状がある。今後、想定されている巨大地震等の自然災害に備えるためにも、住民等の直接的な権利者のみならず、地域全体として防災力を高めていく必要があると考える。
 改修・建替えがなかなか進んでいない背景には、建替え費用や仮住居等の資金問題や都市計画等の法律に合致しないという法的問題、管理組合等の改修や建替えに関する知識不足があると考える。 これらの問題を解決するためには、まず、現在の法制度や改修・建替え手法等の正しい地域を身につけることから始まると考える。
 平成26年12月には「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の一部改正の施行や、この改正で「マンションの敷地売却制度」や「容積率の緩和特例」が制定されているなど、日々状況は変化しており、これらをうまく組み合わせた検討を行うことが、改修・建替えを実施するために必要なことである。活用できる補助金にも複数あり、それぞれの補助要件についても検討する必要があると考える。本書では、近い将来必ず来るマンションの建替えについて、検討を開始する際の基礎知識から法制度等の最新情報まで分かりやすくまとめられている。また、成功事例も収録されており、建替え後のイメージも掴みやすくなっている。改修のきっかけや苦労した点など、各段階での事業者目線のエピソードも大いに参考になると思う。
 住民や管理組合だけでなく、管理会社や不動産・建築に携わる方など、改修・建替えの検討時に幅広く活用して頂けると感じる。

<(公社)全国市街地再開発協会 機関誌「市街地再開発」2016年1月号より転載>

マンション再生協議会